藤春食堂

創業80年という長い歴史を持つこちらのお店は、「横手焼きそば四天王決定戦」でも常に名を連ねる実力派として知られています。年月を重ねてもぶれない味と、店主の豪快な笑い声が店先から響き、初めて訪れる方でもどこか懐かしさを覚える不思議な魅力がありますね。地元の人々にとっては“いつもの味”として愛され、遠方から足を運ぶお客さんも後を絶たない人気店です。

特に看板メニューの「横手焼きそば」は外せません。太めのもっちりとした麺に、甘めのソースがじんわり絡み、素朴でありながら何度でも食べたくなる味わいがあります。半熟目玉焼きを崩して麺に絡める瞬間は、横手焼きそばならではの楽しみ方でしょう。食べ進めるほどに、地元で長年愛されてきた理由が自然と伝わってくる料理です。

この横手焼きそばは、2009年に開催された「B-1グランプリ」で見事優勝し、全国区の名物として一気に注目を浴びました。イベントをきっかけに横手の名前が広まり、今では県外からの観光客も多く訪れるほどの存在となっています。その人気に甘えることなく、変わらぬ味を守り続けている姿勢が、さらにファンの心をつかむ理由でしょう。

飾らない店構えと、家庭のような温かさを感じられる雰囲気がこの店の魅力でもあります。昭和の香りが残る空間に、焼きそばの香ばしい匂いが立ちこめ、つい長居したくなる心地よさです。派手さはないのに不思議と記憶に残る、そんな特別な一軒ですね。



　

山内食堂

山内食堂（さんないしょくどう）は、地元の人たちが足しげく通う“コスパ最強”の人気食堂として知られています。昔ながらの温かい雰囲気が漂う店内には、飾らない家庭料理の香りが広がり、食事を楽しみに訪れる常連客の姿が絶えません。気取らず入れる食堂でありながら、お腹も心も満たされる一軒ですね。

その中でも注目を集めているのが、名物の「半チャーハン」です。名前だけ聞くと軽めの一皿を想像しますが、運ばれてくるのは総重量約1kgという迫力満点のデカ盛り。初めて頼む方は、そのギャップに思わず笑ってしまうほどのボリュームです。見た目のインパクトだけでなく、香ばしく炒められた米や絶妙な塩加減が食欲を刺激し、どんどん箸が進みます。まさに食堂らしい豪快な一品ですね。

たっぷり盛られたチャーハンは、単に量が多いだけではありません。どこを食べても味が安定しており、家庭的な温かさの中に、丁寧に作られた料理の良さがしっかり感じられます。地元の学生や働く人たちに愛されているのも納得の一皿といえるでしょう。お腹がしっかり満たされる満足感こそが、山内食堂の魅力のひとつです。

こうしたコスパの良さと庶民的な美味しさが評判となり、遠方から訪れる人も増えてきています。伝統的な食堂文化を大切にしながら、ボリューム満点の料理で訪れる人の体力と元気を支えてくれる存在。その素朴さと力強さが、多くの人の心をつかんで離しません。気負わず入れて、しっかり食べられる、そんな懐の深さが人気を支えているのでしょう。



　

ラーメン幸

ラーメン幸（KOU）は、創業から25年以上にわたって地域に愛され続けている老舗の一軒です。横手市民であれば、一度はその名を耳にしたことがあるほどの存在感を放っていますね。現在の店舗へ移転したのは2002年のことで、以来、変わらぬ味とあたたかな雰囲気で多くの常連客を迎えています。長い歴史の中で培われた信頼が、店の入り口からすでに感じられるような名店です。

この店を代表する人気メニューといえば、まず外せないのが「納豆ラーメン」。納豆の香りと旨みがスープと調和し、ほかではなかなか味わえない独特の一杯へと仕上がっています。見た目からは想像しにくい組み合わせですが、一度食べると不思議とクセになる味わいで、挑戦する人が後を絶ちません。地元の人にとっては定番ともいえるラーメンですね。

もうひとつの名物「味噌ちゃんぽん」も人気を支える存在です。9種類もの具材がたっぷり入り、丼からあふれそうなほどのボリュームは圧巻。味噌のコクと野菜の自然な甘みがスープに溶け込み、食べ進めるほど身体の中から温まるような満足感があります。多彩な具材が織りなす食感の違いも楽しく、何度でも注文したくなる一杯です。

ラーメン幸の魅力は、奇をてらうのではなく、店主が積み重ねてきた味への信念がしっかりと一杯に表れているところにあります。長く続く店には理由がありますが、その理由を器の底まで堪能できるのがこの店の良さでしょう。横手でラーメンを味わうなら、ぜひ一度訪れておきたい名店です。